ビッグモーターの兼重宏行社長が、2023年7月25日午前11時に会見を行いました。
会見では、一連の自動車保険の保険金請求問題に対する謝罪や社長・副社長の完全退陣発表、新社長の決意表明が述べられています。
今回、会見の内容を文字起こしでまとめました。
兼重社長がどんなコメントをしたのか、会社の体制はどうだったのかを確認してみてくださいね。
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【文字おこし】ビッグモーター兼重社長7/25会見内容
会見に参加したビッグモーター関係者は4名です。
写真左から順に役職と氏名はこちら。
管理本部部長 内部統制監査室室長 陣内司氏
代表取締役社長 兼重宏行氏
専務取締役 和泉伸二氏
取締役営業部門部長 サービス本部長兼BP(板金塗装)本部長 石橋光国氏
会見は動画でも確認できます。
兼重宏行社長コメント
このたび、損害保険会社様に対する保険金請求に際して、当社板金部門が不正な請求を行っていたことが明らかになりました。
詳細は、外部の弁護士で構成される特別委員会の調査報告書の通りです。
当社を信頼いただいたお客様、損害保険会社様、お取引先様を始めとするステイクホルダーの皆様に、多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。
誠に申し訳ございませんでした。
ー4人で深く礼ー
また、不適切な保険金請求を行っていたお客様に対しましては、損害保険会社様と連携しながら、速やかに再修理や返金も含め、対応を進めてまいります。
弊社では、他部門の不適切な行為についても、社内調査を継続し、早期の全容解明に努めてまいります。
弊社では、常にお客様のニーズにあったサービスをご提供することを企業理念に掲げ、安心してお客様に自動車に乗っていただけるよう取り組んでまいりましたが、このような事態を招いてしまい、しまったことを、企業のトップに立つものとして非常に重く受け止めており、慚愧(ざんき)に堪えません。
特別調査委員会の報告書では、今回の問題の原因として
①不合理な目標設定
②コーポレートガバナンスの機能不全とコンプライアンス意識の鈍麻(どんま)
③経営陣に盲従し忖度するいびつな企業風土
④現場の声を拾い上げようとする意識の欠如
⑤人材の育成不足
の5つを指摘しております。
これらは、経営のトップとしての私の責任だと極めて重く受け止めており、責任を痛感し深く反省しているところでございます。
この度、企業風土を一新するためには、新社長のもと全社一丸となり力を併せて進んでいくことこそ、今般ご迷惑をおかけした皆様方の信頼を取り戻す近道でないかと判断し、私は7月26日付けで代表取締役社長を辞任することと致しました。
今回の件を厳粛に受け止め、新たな経営体制のもと二度とこのようなことを起こさぬよう、特別調査委員会に提言いただいた組織風土の改革を始めとする再発防止策に、全社をあげて取り組んでいってもらいたいと考えおり、私自身もできる限りの協力をしていく所存です。
お客様、損害保険会社様、お取引先様を始めとする、すべてのステイクホルダーの皆さまに多大なご迷惑をおかけすることとなり、改めて深くお詫び申し上げます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
ー4人で深く礼ー
【調査報告書・今後の対応】陣内司氏コメント
内部統制監査室室長のじんのうちでございます。
特別調査委員会の報告書およびその他の個別決議案を担当しております。
私からは、6月26日付で受領いたしました調査報告書に記載の不適切な保険金請求事案以外に、現在当管内で確認されている不適切な事案、及び今後の対応についてご説明させていただきます。
現時点で把握している不適切な事案、適切な検査を実施しなかったことにより、全国に7ヶ所ある委任 指定を受けている工場のうち、3工場で保安(不明瞭・指定取り消し?)行政処分を2023年に受けております。
当社としては、調査報告書に記載の自動車板金塗装部門で不適切な保険金請求事案など一連の問題を受け、現在他の部門でも不適切事案についても今後調査を進めてまいります。
次に、弊社の代表取締役および取締役の今後についてご報告させていただきます。
昨日開催された取締役会において、代表取締役社長の兼重宏行、及び取締役副社長の兼重宏一が7月26日付で辞任し、兼重宏行および兼重宏一両名は完全に退陣致します。
後任の代表取締役社長に営業部門を担当していた和泉伸二、及び代表取締役副社長に、本調査報告書の調査委員会を担当していた石橋光国が就任することを決議いたしましたのでお知らせします。
詳細は別紙の通りです。
【新社長】和泉伸二氏コメント
7月26日付で新社長に就任致します和泉伸二です。
まず始めにこの度の保険金不正請求において、被害にあわれたお客様に対して深くお詫び申し上げます。
ー礼ー
重ねて、過去にも弊社をご利用してくださったお客様に対しても、そのときに受けた商品・サービスに対し大変なご心配をおかけしておりますことを深くお詫びを申し上げます。
ー礼ー
これまで弊社は、創業者の兼重宏行のリーダーシップと、その卓越したビジネスモデルにより、今や業界を代表する企業になりました。
その反面、あまりにも強すぎるリーダーシップに頼りきっていた面も否めません。
更には、弊社は非公開企業でありますことから、さまざまなご意見やさまざまなご指摘を拝聴するという機会も非常に少なく、客観的な目線も希薄になっていったことで、コンプライアンスの低下を招き、ひいては今回のようなことを引き起こしてしまったと、強く痛感しております。
今回起きた不正は、どこを向いて仕事をしていたのかということが大きいと考えております。
お客様満足を最優先に、お客様の方を向いて仕事をしていればこんなことは起きていません。
先の調査報告書にも多々ご指摘がありましたように、この数年間行き過ぎた業績管理、不合理な目標設定、頻発する降格人事、こういったことにより、徐々にいびつな企業風土を作ってしまい、いつしか会社の方を向かせて仕事をさせてしまったことが、お客様の信頼や期待を裏切り、それを売上に変えてしまったという、絶対にあってはいけないことが起きてしまいました。
私は、新社長として常にお客様のニーズに合ったクオリティの高い商品・サービス・情報を提供し、お客様に安心して車に乗っていただく、全社員が正しい仕事が行えるように、その骨格となるガバナンスを徹底的に強化してまいります。
そのためには、我々経営陣がまず改めて社会の中での会社の存在意義、存在価値、役割を再認識して、しっかりと理念を打ち立ててコンプライアンスを常に意識して守っていきます。
お客様満足を最優先に、現場の社員がお客様の方を向いて仕事ができるように、そして1人1人が胸をはって誠心誠意サービスが提供できるように、そのような風土改革をして参ります。
まず、そのためには我々経営陣が現場に出向き、現場の目線で全社員とベクトルを合わせて、現場の声に耳を傾け、風通しの良い企業風土を作って参ります。
最後になりますが、このような状況の中でも、弊社を信用してお取引してくださっているお客様がいらっしゃいます。
その影には、お客様との長年かけて信頼関係を構築してくれた素晴らしい社員がいます。
そして今回、大変なご迷惑をおかけした損害保険会社様、さらには日頃献身的に私達を支えてくださってくださってます各お取引業者様、すべてのステイクホルダーの皆様に、私が本日お話したことを必ずやりぬくというお約束をして、私の決意をさせていただきます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
ー礼ー
まとめ
ビッグモーターの7/25会見内容を文字起こしで紹介しました。
やっと会見する段階で、社長・副社長は完全退陣されますが、会社の体制を変えることは時間がかかりそうです。
新社長の和泉伸二氏への風当たりは相当厳しいものになりそうですね。
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